この本は、大きな組織や伝統ある企業のリーダーに向けて、厄介だと思われている「同調圧力」を逆に利用することで、メンバーの圧倒的主体性を引き出し、全員が活躍できる組織をつくる本です。
企業の寿命はよく30年と言われますが、それを超えてせっかく大きな組織になったにもかかわらず、そこに属するリーダーの多くは、活力ある組織づくりに頭を悩ませています。長年の統制された仕組みや煩雑なルールの中で、何もしなければ自ずと“やっちゃダメ”の同調圧力が幅を利かせ、メンバーの主体性の芽を摘んでしまうのです。ではどうすれば良いのか?逆の“やっていい”の同調圧力を形成していけば良いのです。言うは易く行うは難し。成功の秘訣は、あくまで“やっていい”を貫くことと、徐々に仲間を増やしながら小さな成功を実感していくことです。リーダーが同志とともに、ぶれずにメンバーの力を100%引き出すことだけを考え、一歩一歩真の信頼関係を構築していく「ラポールリーダーシップ」を発揮すれば、圧倒的主体性の発揮により、がぜん組織にも活気が出てきます。
本文では、著者が社長を務める30年超1500人企業が、徐々に社員によるボトムアップの自主経営に変わっていった実例をもとに、ラポールリーダーシップを実践していくための具体的な手法(①“やっていい”に導くお守りワードを作る、②お守りワードでMYパーパスを引き出し“やっていい”を実感する、③“やっていい”を加速するためにイベントに乗せる)について紹介します。
マネジメントや、エンゲージメント関連の書籍は枚挙に暇がありませんが、上場企業の現役プロパー経営者が自社で実践した事例をメソッド化したものはあまり見当たりません。「組織を変えたくてもしがらみがあって中からは変えにくい」、「コンサルを入れても一瞬変わったように見えて長続きしない」。大きな組織や伝統ある企業のリーダーが抱えるこのような悩みに対して、“これだけやればメンバー全員のパフォーマンスが最大化する”、“明日からできる活力ある組織づくり”を提供する一冊を目指します。